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【弁護士が解説!】相続が発生した場合の手続きの流れは?

誰かがお亡くなりになられると、残された家族は悲しみの中で、亡くなった方の通夜葬儀などをとりおこな死亡届の提出などの手続きを行いそして、相続、つまり、亡くなった方の遺産を引き継ぐための手続を行なわなければなりません。

この記事では、相続の手続きの流れと、相続人同士のトラブルや複雑な法的手続きに直面した際に、弁護士に相談するメリットについて解説いたします。

相続の手続の流れ

まずは遺言書があるかどうかを確認する

相続の手続は、亡くなった方が遺言をしているかどうかで大きく変わります。

まずは、遺言書があるかどうかを確認しましょう

遺言がある場合

亡くなった方が遺言を遺しているとき、親族のだれかがそのことを知っていたり、遺言書を保管していたりすることが多いです。

遺言書を作成したような話を聞いたことがあるが、どこにあるか分からない、という場合には、「公正証書遺言」なら公証役場(全国どこでも良い)で検索してもらうことができます。

「自筆証書遺言」で保管制度が利用されていた場合には、保管されている遺言があることが通知される場合があります(されない場合もあります)。

それ以外の場合は、心当たりを探すよりほかありません。

自筆証書遺言が見つかった場合には、家庭裁判所に「検認」という手続を申し立てる必要があります。

これをせずに遺言を開封してしまうと、場合によっては遺言書が無効となってしまう可能性がありますので、絶対に勝手に開封しないでください。

なお、自筆証書遺言でも保管制度を利用している場合や、公正証書遺言の場合は、検認の手続をとる必要はありません。

遺言があれば、遺言のとおりに遺産を分けていくことになります。

遺言の中で「遺言執行者」が指定されている場合は、以下の手続は基本的には遺言執行者がすることになるので、相続人が手続をする必要はほとんどありません。

遺言が無い場合

探しても遺言が見つからない場合や、そもそも遺言がありそうにもない場合は、遺言がないものとして、法定相続人全員の協議で遺産分割を行ないます。

法定相続人の確定

まずしなければならないのは、法定相続人が誰であるか確定です

 

被相続人の出生から死亡までのすべての戸籍謄本を収集し、また、配偶者、直系卑属(子や孫)、直系尊属(親)、兄弟姉妹や甥・姪の順で

すべての法定相続人を漏れなく特定しなければなりません。

相続人が1人でも欠けている状態で遺産分割協議を行っても、その協議は無効となります。

戸籍謄本の収集は、相続人の人数が多い場合や、兄弟姉妹などが相続人になる場合、被相続人の結婚・離婚や転籍が多い場合などには非常に時間と手間がかかる作業です。

相続財産の把握

法定相続人の確定と並行して、被相続人の残した財産の全容を調査していきます

預貯金、不動産、有価証券といったプラスの財産だけでなく、借金や未払金といったマイナスの財産もすべて調査します。

残された家族がなくなった人の財産を把握することは想像以上に難しい作業です。

特にマイナスの財産については、金融機関からの借り入れなどは比較的判明しやすいですが、友人の借金の保証などは把握できないこともあります。

できるだけ生前に、遺言などを利用して、自分の財産が残された家族に一目で分かるようまとめておくことが重要です。

相続財産の調査ができたら、遺産分割協議の際に相続財産を把握しやすくするため、財産目録を作成します。

この段階で負債が資産を上回る可能性がある場合は、相続放棄や限定承認といった選択肢を検討する必要があります。

 

相続放棄や限定承認をする場合には相続があったことを知ったときから3カ月以内に手続を行なう必要があるため、それまでに被相続人の財産を把握しなければなりません。

ただし、どうしても3カ月以内に間に合わない場合には家庭裁判所に期間の延長を申し出る手続を行ないます。

遺産分割協議

遺言書がない場合や、遺言書に遺産の一部しか分割方法が記載されていない場合、遺産分割協議で、相続人全員で遺産の分け方について話し合います。

協議で合意した内容遺産分割協議書として書面にまとめ、相続人全員が署名と押印(通常は実印)をします。

この遺産分割協議書は、相続登記や預貯金の解約など、遺産分割に関係するあらゆる手続に必要です。

相続税の申告と納付

相続財産の総額が基礎控除額を超え、相続税が発生する場合は、被相続人の死亡を知った日の翌日から10ヶ月以内に申告と納付を行う必要があります。

申告期限を過ぎると、延滞税や無申告加算税といった重いペナルティが課される可能性があります。

また、配偶者の税額軽減などの特例の適用についても、期限内に申告を行なうことが必要です。

申告期限には十分に気をつけなければなりません。

相続における注意点

特に期間制限のあるものに注意しましょう。

ご説明したとおり、相続放棄は3カ月、相続税申告は10ヶ月です。

これを経過してしまった場合は、相続放棄ができずに債務を放棄できなくなったり、相続税の重いペナルティを負うことになったりと、重大な結果につながります。

相続で弁護士に相談するメリット

相続で弁護士に相談することには、多くのメリットがあります。

そもそも相続人の確定や相続財産の把握からして手続は煩雑です。慣れていない方には戸籍を読み解いて相続人を辿っていく、という作業は非常に難しい作業です。

遺言がある場合は遺言執行者がそのような作業を行う事になりますが、一般の方が遺言執行者に指定されている場合、法律上の遺言執行者の職務の規定を理解して遺言執行を進めることはかなりの負担になります。

一般的に、争いになったら弁護士に、と言われますが、このような煩雑な作業の負担を考えれば、争いにならなくても、相続が発生したらまずは弁護士に相談するのが得策です。

また、感情的な対立になりがちな相続争いにいて、弁護士が入ることで論点を整理し、いたずらに対立を深めることなく協議を進めることができる場合もあります。迷っている間に対立はどんどん深くなります。早めのご相談が肝要です。

もちろん、交渉から調停、訴訟、場合によっては相続放棄など、状況に応じた適切な手続の判断も行なうことができます。

まとめ

相続の手続きは、遺言の確認から始まり、相続人の特定、相続財産の把握、遺産分割協議、そして名義変更や税務申告という流れで進みます。

様々な資料を収集し、期限に注意しながら、遺産分けを進めなければなりません。

それだけでも慣れない方には大変な負担です。

これだけでも、専門家に依頼する値打ちは十分にあります。

さらに、感情的な対立があるとなると、もはや手に負えなくなってしまいます。

相続が発生したとき、遺言執行者になってしまったとき、そして相続がトラブルになりそうなときは、迷わずぜひ弊所にご相談ください。

相続税に強い提携税理士とも連携しながら、適切な解決を図ってまいります。

Knowledge基礎知識

Lawyer弁護士紹介

山田和哉弁護士
弁護士

山田 和哉(やまだ かずや)

所属

大阪弁護士会

大阪弁護士会遺言相続センター運営委員会副委員長

略歴

甲陽学院高等学校 卒業

京都大学法学部 卒業

神戸大学法科大学院 修了

資格

2級ファイナンシャル・プランニング技能士

日商簿記3級

式森達郎弁護士
弁護士

式森 達郎(しきもり たつろう)

所属

大阪弁護士会

略歴

関西学院大学高等部 卒業

関西学院大学法学部 卒業

大阪大学高等司法研究科 修了

総務省 行政管理局 公共サービス改革推進室 任期満了

行政書士

柏井 千尋(かしい ちひろ)

所属

大阪府行政書士会 北支部

取扱業務 自動車登録、各種許認可等申請

※行政書士柏井千尋は、「行政書士事務所プリウス」として、法律事務所プリウスとは独立して行政書士業務を行っております。

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