企業法務の役割
事業を営む企業は様々な契約を持っています。商品を仕入れれば売買契約、従業員を雇えば雇用契約、事業所や什器を借りれば賃貸借契約、弁護士と顧問契約をすれば委任契約、などなど、事業を営んでいる方であれば、その事業に関連して実に多くの契約関係があることはご理解いただけると思います。
また、事業を営む上で顧客や従業員に損害を与えてしまった場合には、企業がその損害を賠償する責任を負うことになります。
こういった企業の契約関係や法的責任を整序するのが、企業法務の役割です。
このことは、株式会社や有限会社などの法人に限らず、個人事業であっても全くかわりありません。
企業法務には3つの役割があります。
一つめは、企業で発生する法的なトラブルに対応する役割で、臨床法務、などと呼ばれます。
企業間での契約の履行をめぐる紛争や、企業と従業員との間の労務に関する紛争などを、発生した後に事後的に解決していく役割です。
企業が抱える紛争を解決することは、企業が事業を継続する上で必要なミッションになりますから、この臨床法務の役割は重要です。しかしながら、紛争を抱えることは、企業にとって大きなリスクであり、また、その解決にかかる経済的、時間的コストも小さくありません。
二つめは、こうした法的な紛争の発生を未然に防ぐ役割で、予防法務、と呼ばれます。
契約上の紛争を予防するために、合意の内容を明確にした契約書を作成したり、そのなかで契約上の紛争を想定して自社の損害を最小限とするように契約内容を策定していきます。
労務関係についても同様で、授業員との労働条件についての合意を書面で明確にしていくことになります。また、特に労務関係については、雇用条件が労働基準法などの法規に違反していないかどうかをチェックし、違反する部分については是正していくことも紛争の防止のために極めて重要です。
労務関係に限らず、コンプライアンス(法令遵守)も企業にとって重要となっており、コンプライアンスの観点から企業の活動をチェックし、必要に応じて是正していくことも予防法務の重要な役割です。
こういった予防法務の活動は、紛争が発生してから対応する臨床法務の活動より低コストであり、また、紛争を抱えることのリスクも低減させますから、特に中小企業の企業法務においては中心的な役割と言えるでしょう。
三つめは、企業の経営や成長のために、より積極的に法的観点から企業経営を構築・支援する役割で、戦略法務、と呼ばれます。
新規事業の立ち上げやM&Aの際に法的リスクを適切に評価したり、海外進出の際に進出先の国の法令を調査してそれに対する対応を行ったり、適切な内部統制システムを選択してその構築にあたる、といった、企業の重要な戦略を実現する役割です。
特に中小企業においては、予防法務、臨床法務が重要になってきますが、経営資源の限られる中小企業において法務専門の人員を抱えることは決して容易ではありません。社長が一人で抱え込んでしまって、悩んでいるうちに問題がどんどん大きくなり、屋台骨を揺るがす大問題に発展してしまう、というケースを弁護士としてたくさん見てきました。
そんな中小企業には、法務について気軽に相談できる顧問弁護士がいれば、こういったリスクを大幅に減らすことができます。
法律事務所プリウスは、大阪府大阪市を中心に大阪府はもちろん、尼崎市、西宮市、芦屋市、神戸市など兵庫県にお住まいの皆様からのご相談を承っております。
企業法務をはじめとして、労働問題、債権回収、契約書のリーガルチェックなど法人の方からのご相談、離婚や相続、交通事故、不動産トラブルなど個人の方からのご相談に対応しております。
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Lawyer弁護士紹介
専門家名 |
山田 和哉(やまだ かずや) |
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所属 |
大阪弁護士会 大阪弁護士会遺言相続センター運営委員会副委員長 |
略歴 |
甲陽学院高等学校 卒業 京都大学法学部 卒業 神戸大学法科大学院 修了 |
資格 |
ファイナンシャルプランナー(AFP)認定者 日商簿記3級 |
専門家名 |
式森 達郎(しきもり たつろう) |
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所属 |
大阪弁護士会 |
略歴 |
関西学院大学高等部 卒業 関西学院大学法学部 卒業 大阪大学高等司法研究科 修了 総務省 行政管理局 公共サービス改革推進室 任期満了 |
Office事務所概要
事務所名 | 法律事務所プリウス |
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